小牧山城愛知県小牧市

夏の小牧山城1 夏の小牧山城2 夏の小牧山城3 夏の小牧山城4 夏の小牧山城5 夏の小牧山城6 夏の小牧山城7 夏の小牧山城8 夏の小牧山城9 夏の小牧山城10
冬の小牧山城1 冬の小牧山城2 冬の小牧山城3 冬の小牧山城4 冬の小牧山城5
  • 織田信長が自ら初めて築いた城
  • 発掘調査で石垣を備えた本格的な城郭と判明
  • 小牧・長久手の戦いでは徳川家康の陣城となった

小牧山城とは、愛知県小牧市にある戦国時代の城跡である。永禄6年(1563)に織田信長が美濃攻略の拠点として小牧山に築いた城で、信長が自ら初めて築いた城とされる。近年の発掘調査により、山頂部に石垣を備えた本格的な城郭であったことが明らかになっている。天正12年(1584)の小牧・長久手の戦いでは、徳川家康が小牧山を陣城として整備し、羽柴秀吉と対峙した。

小牧山城の特長
目的 織田信長の美濃攻略拠点、徳川家康の陣城、軍事・政治の拠点
特長 石垣を備えた戦国城郭、山頂主郭、曲輪、土塁、小牧・長久手の戦いの陣城
他の城との違い ・織田信長が自ら初めて築いた城とされる
・信長期の石垣が発掘調査で確認されている
・小牧・長久手の戦いでは、徳川家康が山全体を陣城として利用した
小牧山城の石垣・土塁
石垣 現存・復元整備
土塁 現存・復元整備
種類 石垣、土塁、曲輪、堀、虎口、陣城
石材 小牧山周辺の石材
特長 小牧山城は、土の城から石の城へ向かう転換点を示す城である。発掘調査では、山の岩盤を垂直に削った壁と、その上に積まれた石垣が確認されている。また、墨書のある石垣石材も出土しており、信長家臣の佐久間一族が築城に関わった可能性が指摘されている。小牧・長久手の戦いの際には、徳川家康により土塁や堀などが整備され、陣城としても機能した。
小牧山城DATA
別称 小牧城
所在地 愛知県小牧市
築城 1563年
築城者 織田信長
住所 愛知県小牧市堀の内1丁目1
電話番号 0568-72-0712
開館時間 小牧山歴史館は9時~16時30分。有料エリアへの入場は16時15分まで
休館日 第3木曜日。祝日の場合は翌平日。年末年始(12月29日~1月3日)
入館料 大人200円、18歳以下無料。小牧山歴史館とれきしるこまきの2館共通
備考 現在は史跡小牧山として整備されている。山頂の小牧山歴史館は、昭和42年(1967)に建設された天守風建物で、史実上の天守を復原したものではない。南麓の小牧山城史跡情報館「れきしるこまき」では、発掘調査で明らかになった小牧山城の石垣や城下町、小牧・長久手の戦いについて学ぶことができる。
小牧山城への交通アクセス
名鉄小牧線「小牧駅」からこまき巡回バス・ピーチバス・とよやまタウンバス・名鉄バスの「小牧市役所前」停留所を下車。

HISTORY 小牧山城について

小牧山城の歴史
1563年 織田信長が美濃攻略の拠点として小牧山城を築く
1567年 織田信長が稲葉山城を攻略し、岐阜へ本拠を移す
1567年頃 信長の本拠移転により、小牧山城は一度廃城となる
1584年 小牧・長久手の戦いで、徳川家康が小牧山を陣城として整備する
江戸時代 尾張徳川家により小牧山が保護される
1927年 小牧山が国の史跡に指定される
1967年 山頂に小牧山歴史館が建設される
2017年 続日本100名城に選定される
2019年 小牧山城史跡情報館「れきしるこまき」が開館する

小牧山城と関連する事件を読む

小牧・長久手の戦い豊臣秀吉vs徳川家康
小牧・長久手の戦いとは 天正12年(1584年)3月から11月まで、豊臣秀吉と徳川家康・織田信雄が争った合戦である。 尾張北部を中心に、美濃や伊勢など各地で戦いが起こり、北陸・四国・関東などの戦いとも
稲葉山城の戦い織田信長が美濃を制覇
稲葉山城の戦いとは 永禄10年(1567年)8月、織田信長が美濃国の斎藤氏の本拠地・稲葉山城を攻め落とした戦いである。 織田信長が斎藤龍興を下し、美濃を平定する決定的な契機となった戦いである。 斎藤道

小牧山城と関連する人物記を読む

織田信長天下統一前に斃れた武将
織田信長とは 天文3年(1534年)5月に、尾張の一地方領主であった織田信秀の子として生まれた武将である。 父・織田信秀が奪った那古野城を早くから譲られ、幼少期から奇抜な行動が多く「大うつけ」と呼ばれ
丹羽長秀織田信長に厚い信頼を得た武将
丹羽長秀とは 天文4年(1535年)に丹羽長政の次男として尾張国春日井郡児玉に生まれた、織田信長に仕えた武将である。 天文19年(1550年)から織田信長に仕え、信長家督相続期から数少ない宿老格として

小牧山城、信長が美濃攻略のために築いた初の「石の城」

愛知県小牧市にあった「小牧山城」は、織田信長が美濃攻略を進める拠点として築いた城です。現在は模擬天守閣が建てられているほか、城があった小牧山の東麓部が史跡公園として整備されています。

小牧山城
小牧山城の歴史
小牧山城は永禄6年(1563年)、織田信長によって築かれた平山城です。信長は永禄3年(1560年)の「桶狭間の戦い」で今川義元を破ったのち、徳川家康と手を結び、美濃の攻略のための拠点を探します。そこで見つけたのが平野のなかにぽつんとある小牧山でした。7月には主な兵力を清洲城に移しています。
信長は美濃攻略を進め、犬山城から中美濃に侵攻し、次々と城を攻略。永禄10年(1567年)の「稲葉山の戦い」で勝利し、美濃を手に入れました。
その後、信長は戦いで手に入れた稲葉山城を「岐阜城」と改名して移り住みます。このため小牧山城は廃城となり、城下町も衰退していきます。結局信長は4年間しか小牧山城に居住しませんでした。
このため以前は「小牧山城は美濃攻めのための一時的な砦だった」と考えられていましたが、平成16年(2004年)からの小牧市教育委員会による主郭地区の各種調査で天守を囲む石垣が発掘されたことで本格的な城であったことが分かっています。また、城下町跡や武家屋敷のものと思われる井戸なども出土しました。
天正12年(1584年)には羽柴秀吉VS織田信雄・徳川家康の「小牧・長久手の戦い」が起こります。この際、小牧山は徳川家康の本陣となり、小牧山城は改修され、山のふもとを一周する土塁や堀などが新たに作られています。城の強固な守りのせいで小牧山付近では小競り合い程度しか起こりませんでした。
江戸時代に入ると小牧山は家康の「御勝利御開運の御陣跡」として尾張藩領となり、一般人の立ち入りが禁止されました。このため荒らされることなく堀や土塁などの跡がきれいに残っています。
明治時代に入ると版籍奉還で国有地となり、明治6年(1873年)には愛知県が「小牧公園」として一般公開しています。その後、尾張徳川家の所有となり一般公開は中止されましたが、昭和2年(1927年)に国の史跡となり一般公開が再開。一時期中学校がありましたが、のちに移転しました。
昭和43年(1968年)には山頂に模擬天守・小牧山歴史館(旧小牧市歴史館)が、平成31年(2019年)にはふもとに小牧山城史跡情報館「れきしるこまき」がオープンしており、小牧山を訪れた人々の必須スポットとなっています。
小牧山城の見どころ①模擬天守・小牧市歴史館
山頂にある模擬天守は昭和42年(1967年)、名古屋市在住の実業家・平松茂が私財を投じて建築を開始したものです。小牧市に寄贈後、翌昭和43年(1968年)に竣工式がおこなわれ、同年「小牧市歴史館」としてオープンしました。
外観は安土桃山時代に建てられた京都・西本願寺の庭園内にある楼閣建築「飛雲閣」がモデルになっています。鉄筋コンクリート造りの3層4階建てで、4階の展望室からは小牧市内を含む濃尾平野の絶景が望めます。
小牧市歴史館は令和5年(2023年)4月1日にリニューアルオープンしました。以前は小牧市の歴史民俗資料を展示する施設でしたが、リニューアルオープンで小牧・長久手の合戦など、戦国時代の小牧山に関する展示に変更されています。また、毎週土日には忍者衣装試着体験も実施。大人から子どもまで人気を博しています。
小牧山城の見どころ1 小牧山城の見どころ2 小牧山城の見どころ3
小牧山城の見どころ②城郭史上初めて!? 石垣を使った「石の城」
小牧山城は織田信長が初期に築いた城で、安土城の原型的存在とされています。中世からの城は山や丘などの地形を活かしつつ、土塁や堀をメインとした「山城」、いわゆる「土の城」でした。戦国時代には土の城から石垣を使った「石の城」へと移行していくのですが、その第一号が信長による小牧山城だったと言われています。
石垣は野面積みで、令和6年(2024年)4月1日には、南川大手道に信長が築いた石垣が復元展示されています。石垣はもとの岩盤を削ってその上に積まれたもので、岩盤を含めるとおよそ4mの高さを誇っており、見ごたえがあります。
小牧山城の見どころ4 小牧山城の見どころ5 小牧山城の見どころ6
小牧山城の見どころ③れきしるこまき(小牧山城史跡情報館)
小牧山城のふもとに平成31年(2019年)にオープンした「れきしるこまき(小牧山城史跡情報館)」。小牧山城の石垣や城下町、小牧・長久手の合戦などについて、プロジェクションマッピングなどを活用して展示しています。なかでも発掘調査に基づいた石垣の模型や、石垣をどう積んだのか、積み方が学べるコーナーは必須のスポット!実際に石を積んだり、重さを感じたりして楽しみましょう。
小牧山城のフォトスポット
小牧山を登るための大手口は道がまっすぐに続いており、雰囲気のある写真を撮影できます。模擬天守を撮影するなら石垣とともに。ひきで撮るなら小牧市役所6階にあるレストラン(平日)からがおすすめです。春は桜と模擬天守のコラボが楽しめます。山頂からは開放感のある写真が撮れますよ。
小牧山城の見どころ7 小牧山城の見どころ8 小牧山城の見どころ9
栗本 奈央子
執筆者 栗本 奈央子(ライター) 元旅行業界誌の記者です。子供のころから日本史・世界史問わず歴史が大好き。普段から寺社仏閣、特に神社巡りを楽しんでおり、歴史上の人物をテーマにした「聖地巡礼」をよくしています。好きな武将は石田三成、好きなお城は熊本城、好きなお城跡は萩城。合戦城跡や城跡の石垣を見ると心がときめきます。