足利氏館栃木県足利市

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足利氏館DATA
築城 1196年
住所 栃木県足利市家富町2220
足利氏館への交通アクセス
JR「足利」駅から徒歩約14分。

足利氏館(鑁阿寺)、鎌倉幕府の名門・足利氏の本拠地

足利氏館は栃木県足利市にある武士の館跡で、現在は鑁阿寺(ばんなじ)として知られています。鎌倉幕府を支えた名門・足利氏の本拠地であり、のちに室町幕府を開いた足利尊氏の祖先の拠点としても重要な歴史を持つ場所でもあります。

足利氏館
足利氏館の歴史
足利氏館の起源は鎌倉時代初期にさかのぼり、建久7年(1196年)頃、足利氏二代の足利義兼が、この地に本格的な館を築いたと伝えられています。その際、邸内に持仏堂を建て、大日如来を祀ったのが現在の鑁阿寺の始まりです。はじめは堀内御堂と呼ばれていましたが、三代目の足利義氏が改称しました。「鑁阿」の名は、義兼が晩年出家して名乗った法名からきています。
足利氏は源氏の一族であり、源義家の子孫とされています。鎌倉幕府成立後、足利氏は有力御家人として幕府を支え、下野国(現栃木県南部)を中心に勢力を拡大しました。足利氏館はその政治・軍事の拠点として機能していました。
館は外縁が北約223m、南約211m、東約175m、西約206mのやや歪んだ方形区画で、四方に門を設け、土塁と堀で囲んだ堅固な造りでした。
義兼の死後、三代目の足利義氏は堀の外に十二支院を建てるなどして堂塔伽藍を整備しました。本堂は落雷により焼失しましたが、正安元年(1299年)に足利尊氏の父・足利貞氏が禅宗様式を取り入れて再建しています。
その後、鑁阿寺は鎌倉時代から室町時代にかけて整備され、室町将軍家をはじめ、足利家の人々から足利氏の氏寺として厚く保護されていきます。
鑁阿寺は戦国時代も破壊されることなく残り、江戸時代には鑁阿寺として足利の中心寺院となり、現在に至っています。大正11年(1922年)には国の史跡に指定され、平成18年(2006年)には「足利氏館」として日本100名城にも選ばれました。
現在、境内には平成25年(2013年)に国宝に指定された本堂をはじめとした大小20棟余りの建物が残されており、鎌倉時代以来の貴重な文化財が残っています。
足利氏館の見どころ①堀と土塁が残る方形居館
足利氏館の最大の特徴は、武士の居館としての構造がよく残っていることです。現在も土塁と水堀が鑁阿寺の周りを囲んでおり、鎌倉武士の館の姿を具体的に理解することができます。大規模な武士館の遺構が分かりやすく残る例は全国でも多くなく、中世武士の居館構造を知るうえで重要な史跡とされています。
土塁の四辺にはそれぞれ橋と門が残されています。橋を渡ると館の内部へ入る構造で、かつての防御施設の名残を感じることができます。正面に当たる南側の楼門(山門)は足利幕府十三代将軍の足利義輝が再建したもの。江戸時代後期の建造物で、県内で唯一屋根が付いた太鼓橋が前にあります。
東門と西門は鎌倉時代に建てられた四脚門で、北門は江戸時代に建てられた薬医門です。
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足利氏館の見どころ②国宝の鑁阿寺本堂
足利氏館の中心に建つのが鑁阿寺本堂です。もとは建久7年(1197年)に足利義兼が持仏堂として建立し、足利義氏が方5間の大堂を建立しましたが、安貞3/寛喜元年(1229年)の火災で失われました。
その後、足利貞氏が正安元年(1299年)、当時中国の最新の建築様式だった禅宗様をいち早く取り入れて再建し、室町時代の応永14年から永享4年(1407年~1432年)に大規模な改修が実施されました。
密教寺院における禅宗様の仏堂の初期の例として、鎌倉時代の建築様式をよく残すことから国宝に指定されています。
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足利氏館の見どころ③重要文化財の一切経堂
一切経堂はもともと足利義兼が創建しましたが、現在のものは応永14年(1407年)、第3代鎌倉公方の足利満兼が再建しました。建物内には八角形で回転式の経棚があり、一切経二千巻余(黄檗版)を納めています。また、足利歴代将軍の座像も見どころです。
普段は非公開ですが、大きな行事の時や市の文化財公開日、団体見学の際に内部を見学できます。
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足利氏館のおすすめフォトスポット
鑁阿寺の入り口にある太鼓橋と水堀、楼門を撮影するのがおすすめ。足利氏館の特徴がよくわかります。水堀や土塁も忘れずに撮影しておきましょう。また、国宝の本堂をはじめとした鎌倉時代から明治時代までの建物も美しいですよ。秋には境内の大イチョウが黄金色に染まり、景色を美しく彩ります。
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栗本 奈央子
執筆者 栗本 奈央子(ライター) 元旅行業界誌の記者です。子供のころから日本史・世界史問わず歴史が大好き。普段から寺社仏閣、特に神社巡りを楽しんでおり、歴史上の人物をテーマにした「聖地巡礼」をよくしています。好きな武将は石田三成、好きなお城は熊本城、好きなお城跡は萩城。合戦城跡や城跡の石垣を見ると心がときめきます。