金鶏山岩手県西磐井郡

夏の金鶏山1 夏の金鶏山2 夏の金鶏山3
  • 平泉の中心に位置する奥州藤原氏ゆかりの信仰の山
  • 山頂に経塚が営まれた平泉を鎮護する聖なる山
  • 毛越寺・観自在王院跡・無量光院跡の配置にも関わる世界遺産構成資産

金鶏山とは、岩手県西磐井郡平泉町平泉にある小高い独立丘である。標高は98.6m、山裾との比高は約60mで、平泉の中心部に整った円錐形の山容を見せている。金鶏山は、奥州藤原氏が山頂に経塚を営んだ信仰の山であり、平泉を鎮護する聖なる山として重要視された。山頂からは平泉一帯を見渡すことができ、中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡などの位置関係を理解する上でも重要な場所である。特に毛越寺周辺の都市計画では、金鶏山から南へ延ばした線が基準になったとされ、無量光院では本堂と中島の中軸線の先に金鶏山が位置する。春秋の彼岸頃には、無量光院跡から見て金鶏山の方向に夕日が沈み、西方極楽浄土を想念する景観が作られていたと考えられている。現在の金鶏山は国指定史跡であり、世界文化遺産「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の構成資産である。

金鶏山の特長
目的 奥州藤原氏による経塚造営、平泉を鎮護する信仰の山、都市計画上の基準点、浄土庭園の背景、無量光院跡から西方極楽浄土を想念する景観の形成
特長 金鶏山、平泉、奥州藤原氏、藤原清衡、藤原基衡、藤原秀衡、経塚、信仰の山、聖なる山、円錐形の山容、標高98.6m、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山経塚、花立廃寺跡、千手堂、松尾芭蕉、国指定史跡、世界文化遺産
他の史跡との違い ・寺院や庭園そのものではなく、平泉の宗教空間と都市計画を支えた「基準点」として重要な山である
・山頂に経塚が営まれ、平泉を鎮護する聖なる山として位置づけられた
・毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡の浄土庭園が金鶏山を意識して造営されている
・無量光院跡から見ると、本堂、中島、金鶏山、夕日が結びつき、西方極楽浄土を想念する景観を構成する
・建物や庭園の遺構ではなく、山そのものの形、位置、伝承、経塚が価値を持つ世界遺産構成資産である
金鶏山DATA
別称 なし
所在地 岩手県西磐井郡平泉町
成立 自然の山であり成立時期は不明。12世紀、奥州藤原氏により山頂に経塚が営まれ、平泉を鎮護する信仰の山として位置づけられた
関係者 奥州藤原氏、藤原清衡、藤原基衡、藤原秀衡、藤原泰衡
標高 98.6m
住所 岩手県西磐井郡平泉町平泉字花立地内
電話番号 0191-46-4012(平泉文化遺産センター)
見学時間 見学自由
休館日 なし
見学料 無料
備考 金鶏山は国指定史跡であり、世界文化遺産「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の構成資産である。山頂には経塚が営まれ、藤原氏と密接に関係する信仰の山と考えられている。昭和5年(1930)に山頂付近が濫掘された際、銅製経筒、陶器の壺・甕・鉢、刀子、鉄鏃残片などが出土した。金鶏山には、藤原秀衡が一晩で造った人工の山である、雌雄一対の黄金の鶏が埋められている、という伝承も残る。無量光院跡、毛越寺、観自在王院跡とあわせて見ると、平泉における浄土庭園と聖なる山の関係を理解しやすい。
金鶏山への交通アクセス
JR「平泉」駅からバス約3分、徒歩約5分。(平泉文化遺産センターまで)

HISTORY 金鶏山について

金鶏山の歴史
12世紀前半 奥州藤原氏の時代、平泉の中心部に位置する金鶏山が、信仰上・都市計画上の重要な山として意識される
12世紀前半 金鶏山山頂に経塚が営まれ始めたと考えられる。出土した陶器の一部には、初代・藤原清衡の晩年または二代・藤原基衡期にさかのぼるものがある
12世紀中頃 藤原基衡が毛越寺を造営する。毛越寺周辺の寺域や基幹道路の設定に、金鶏山が基準点として関わったと考えられている
12世紀後半 藤原秀衡が無量光院を造営する。無量光院の本堂と中島の中軸線を西に延長すると金鶏山山頂に達する構成となる
12世紀後半 金鶏山の山頂には複数の経塚が営まれ、平泉を鎮護する聖なる山としての性格を強める
1187年 藤原秀衡が死去する。金鶏山には、秀衡が一晩で築いた山、黄金の鶏を埋めた山という伝承が残る
1189年 奥州合戦により奥州藤原氏が滅亡する。平泉の堂塔や館は失われていくが、金鶏山は平泉の象徴的な山容を残す
1689年 元禄2年、松尾芭蕉が平泉を訪れる。『おくのほそ道』には、秀衡の跡は田野となり、金鶏山のみが形を残すという趣旨の記述が残る
江戸時代 金鶏山には、雌雄一対の黄金の鶏が埋められているという伝承が広まる
1930年 昭和5年、金の鶏を掘り出そうとして山頂付近が濫掘される。その際、経塚に伴う銅製経筒、陶器の壺・甕・鉢、刀子、鉄鏃残片などが出土する
昭和時代 出土品や記録により、金鶏山山頂に奥州藤原氏と関係する経塚が営まれていたことが確認される
2005年 2月22日、金鶏山が国の史跡に指定される
2010年 2月22日、金鶏山の史跡指定範囲が追加される
2011年 6月29日、「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」が世界文化遺産に登録され、金鶏山はその構成資産となる
現在 金鶏山は、平泉の中心に位置する信仰の山、都市計画上の基準点、世界遺産構成資産として保存・公開されている