阿須賀神社和歌山県新宮市

秋の阿須賀神社1 秋の阿須賀神社2 秋の阿須賀神社3 秋の阿須賀神社4 秋の阿須賀神社5 秋の阿須賀神社6 秋の阿須賀神社7
  • 熊野川河口近く、蓬莱山の南麓に鎮座する新宮の古社
  • 古くから熊野三山の神を祀り、平安時代から阿須賀王子とされた神社
  • 徐福伝承、蓬莱山出土の御正体、弥生時代の竪穴住居跡で知られる世界文化遺産

阿須賀神社とは、和歌山県新宮市阿須賀にある神社である。熊野川河口近くの南岸、蓬莱山の麓に鎮座し、祭神は事解男命である。社伝では、紀元前423年、孝昭天皇の代に創建されたと伝わる古社で、熊野速玉大社、神倉神社とともに新宮の熊野信仰を理解するうえで重要な神社である。阿須賀神社は、古くから熊野三山の神を祀り、平安時代から熊野九十九王子の一つ「阿須賀王子」とされた。熊野詣の人々は、熊野川を渡り、新宮の地へ入る中で、この阿須賀の地でも祈りを捧げたと考えられる。背後にある蓬莱山は神聖な山として信仰され、境内からは弥生時代の竪穴住居跡や祭祀用具が見つかっている。また、蓬莱山の麓からは、平安時代から室町時代にかけて奉納された御正体、懸仏が多数出土しており、熊野信仰の厚みを伝えている。徐福伝承とも関わりが深く、秦の始皇帝の命により不老不死の霊薬を求めて渡来した徐福一行が上陸した地が、阿須賀神社の鎮座地であるとも伝えられる。平成28年(2016)には、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に追加登録され、熊野川、神倉山、熊野速玉大社とともに、新宮の信仰景観を構成する重要な神社となっている。

阿須賀神社の特長
目的 事解男命への信仰、熊野三山の神々への信仰、熊野詣の道中祈願、熊野王子信仰、厄除、家内安全、交通安全、徐福伝承の継承、蓬莱山信仰、熊野川河口の祭祀遺跡と信仰景観の保存、世界文化遺産としての歴史継承
特長 阿須賀神社、蓬莱山、熊野川河口、新宮、熊野三山、熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀王子、熊野九十九王子、事解男命、徐福、徐福の宮、宮井戸遺跡、弥生時代、竪穴住居跡、御正体、懸仏、大威徳明王、熊野信仰、熊野詣、紀伊山地の霊場と参詣道、世界文化遺産
他の神社との違い ・熊野川河口近くの蓬莱山南麓に鎮座し、水上交通と熊野信仰の結節点に位置する
・平安時代から阿須賀王子とされ、熊野詣の参詣路上で重要な王子社として信仰された
・境内から弥生時代の竪穴住居跡が出土しており、古代以前から人々の営みがあった場所である
・蓬莱山の麓から出土した御正体、懸仏群により、中世熊野信仰の具体的な奉納の姿を知ることができる
・徐福伝承と結びつき、熊野信仰だけでなく新宮の渡来伝承・海の記憶も伝えている
阿須賀神社への交通アクセス
JR紀勢本線「新宮」駅から徒歩約8分。

HISTORY 阿須賀神社について

阿須賀神社の歴史
弥生時代 阿須賀神社の境内周辺に人々が暮らし、のちに竪穴住居跡や祭祀用具が出土する
伝承時代 熊野川河口近くの蓬莱山は、神聖な山として信仰されたと考えられる
紀元前423年 社伝では、孝昭天皇の代に阿須賀神社が創建されたと伝わる
古代 阿須賀神社は、熊野川河口に近い蓬莱山の麓に鎮座し、熊野の神々を祀る神社として信仰される
古代 祭神として事解男命が祀られ、熊野三山の神々とも結びついて信仰される
伝承時代 秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて渡来した徐福一行が、この地に上陸したと伝えられる
古代以降 阿須賀神社の鎮座地は、徐福伝承と結びつき、境内に徐福の宮が祀られるようになる
平安時代 阿須賀神社は熊野九十九王子の一つ、阿須賀王子とされる
平安時代後期 上皇、貴族、武士、庶民による熊野詣が盛んになり、阿須賀王子は新宮周辺の重要な参詣地となる
平安時代後期 熊野三山への参詣者が、熊野川河口に近い阿須賀の地で祈りを捧げるようになる
11世紀~15世紀 蓬莱山の麓に、御正体、懸仏、銅鏡などが奉納される。これらは後に阿須賀神社境内出土品として発見される
中世 阿須賀神社は、熊野三山の神々を祀る王子社として、熊野信仰の一端を担う
中世 蓬莱山は聖地として意識され、神仏習合のもとで大威徳明王や薬師如来、阿弥陀如来などの本地仏信仰とも結びつく
室町時代 熊野詣が広く庶民にも浸透し、阿須賀王子にも多くの参詣者が訪れたと考えられる
戦国時代 熊野地域は戦乱や地域勢力の影響を受けながらも、阿須賀神社は新宮の信仰地として存続する
江戸時代 熊野詣、伊勢参り、西国巡礼などの旅が広がる中で、阿須賀神社も新宮の名所・信仰地として参詣される
近世 徐福伝承が新宮の地域伝承として語り継がれ、阿須賀神社周辺の歴史と結びついていく
明治時代 神仏分離により、熊野権現信仰の神仏習合的なあり方が整理され、阿須賀神社も近代神社制度の中に位置づけられる
近代 阿須賀神社は、新宮の古社、熊野王子社、徐福伝承ゆかりの地として地域に受け継がれる
20世紀 境内や蓬莱山周辺の調査により、弥生時代の住居跡や中世の御正体など、信仰と生活の痕跡が明らかになっていく
2016年 平成28年、阿須賀神社が世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に追加登録される
2019年 令和元年、和歌山県阿須賀神社境内、蓬莱山出土品が国の重要文化財に指定される
現代 新宮市立歴史民俗資料館では、阿須賀神社の蓬莱山から出土した御正体など、熊野信仰に関わる資料が展示されている
現在 阿須賀神社は、熊野川河口の古社、阿須賀王子、徐福伝承の地、蓬莱山信仰を伝える世界文化遺産として、多くの参拝者を迎えている