豊後竹田風と霧に、音が宿るまち。豊後竹田 ── 瀧廉太郎が育った城下町で、音と祈りの静けさをたずねて
- [執筆者] 日本の旅侍編集部(メディア)
霧が流れ、風が笛のように鳴る丘。
豊後竹田は、音の記憶をまとったまち。
瀧廉太郎が幼少期を過ごし、「荒城の月」が生まれた地として知られています。
石垣の上に響く風、教会跡に残る祈り、そして川のせせらぎ。
このまちを歩くことは、音楽の源にふれること。
静けさの中に、文化の鼓動がありました。

山の麓に広がる城下町
阿蘇外輪山の北に位置する竹田は、岡城の城下町として栄えた古いまち。
城下の通りには武家屋敷や石垣が残り、川がまちを分け、橋が人々をつないでいます。
歩くと、水の音と風の音が絶えず耳に届く。
その静かな響きが、竹田の時間をゆるやかに刻んでいます。
豊後竹田のモデルプランとアクセス案内
- 🚶♀️モデルプラン
- 12:12 豊後竹田駅到着(JR豊肥本線)、竹田の町並みを散策
12:30 郷土料理「魚町 友修」で昼食
13:00 岡城跡を散策
15:00 キリシタン洞窟礼拝堂を見学
15:20 旧竹田荘
15:40 瀧廉太郎記念館
16:00 観音寺 十六羅漢
16:20 三日月珈琲焙煎所 月鐘楼で休憩
17:00 竹田温泉 花水月で入浴
- 🚃 アクセス
- JR豊肥本線(普通・阿蘇方面行)
大分駅 10:54 発 → 豊後竹田駅 12:12 着
熊本方面からも午前8時台発で昼前に到着可能。
駅から市街地は徒歩約5分で、町歩きの起点として便利。
※市内は坂道が多く、徒歩とタクシーを併用すると快適です。
音と祈りが残るまち・竹田を歩く
- 竹田の町並み
- 石垣と水路が入り組む、どこか懐かしい通り。 商家の軒、古井戸、白壁──時間の流れが止まったような穏やかさが漂います。




- 竹田郷土料理 魚町 友修
- 山菜、川魚、しいたけ。 竹田の恵みを一汁三菜で丁寧に。 華やかではないけれど、心に残る味。 地元の人々の暮らしが伝わる、温かい昼餉です。




- 岡城跡
- 瀧廉太郎の「荒城の月」の舞台として知られる名城。 雲海に包まれる朝、石垣の上を風が渡ります。 残されたのは城ではなく、音の記憶。 丘の上で耳を澄ませば、旋律が聴こえるようです。




- キリシタン洞窟礼拝堂
- 江戸期の禁教下に、信徒たちが祈りを捧げた場所。 苔むす岩肌にろうそくの灯が揺れ、静寂の中に“信仰の音”が響きます。 祈りの痕跡が、今もこの地に息づいています。


- 旧竹田荘
- 岡藩の筆頭家老・中川家の別邸として建てられた武家屋敷。 瀧廉太郎の縁の地としても知られ、庭園と主屋が語るのは、竹田の静かな文化の息づき。 往時の佇まいがそのまま残り、まるで時間が止まったようです。




- 瀧廉太郎記念館
- 瀧廉太郎が少年時代を過ごした旧宅を改修した記念館。 ピアノ、譜面、日記が静かに展示され、「荒城の月」が生まれた原点に触れることができます。 窓から差す光が、まるで旋律のようにやさしく流れます。




- 観音寺 十六羅漢
- 石仏群が並ぶ境内は、まるで静かな対話の場。 風が吹くたび、羅漢たちの表情が違って見えます。 祈りと自然がひとつに溶け合う場所。




- 三日月珈琲焙煎所 月鐘楼
- 竹田の町を見下ろす高台にある小さな喫茶。 焙煎の香りと鐘楼の音が重なり、旅の終わりにふさわしい穏やかなひとときを。




- 竹田温泉 花水月
- 清らかな湧水が自慢の温泉。 透明な湯に身を沈めれば、一日の記憶がやさしくほどけていきます。


風と霧が運ぶ、静かな旋律
竹田のまちは、派手な観光地ではありません。
けれど、風の音、祈りの声、川のせせらぎ──どれもが“音楽の原点”のように感じられます。
この地で瀧廉太郎が聴いた音、それは今も風に混じって響いているのかもしれません。
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- 執筆者 日本の旅侍編集部(メディア) 日本の旅侍は知的旅〜オトナの城旅を城写真と共に伝える情報メディアです。日本全国のお城を都道府県別にご紹介。国宝天守・現存天守・復元天守・櫓・石垣・お堀などお城の様々な要素を写真共に伝えます。お城の歴史コラムもあり。 公式HP・SNSはこちら